ステライト合金の種類と特徴

ステライトの画像
ステライト®(Stellite®)は、
コバルトを主成分とし約30%のクロム、4~15%のタングステンなどからなる合金です。デロロステライトグループ(DeloroStellite Group)の商標です。(ビシライト® BISHILITE® はMMCスーパーアロイ株式会社の登録商標です。)
硬さは高く、優れた耐摩耗性、耐酸化性を持ち、特性がほとんど変化しない万能型耐磨耗合金。添加材により、耐熱性にも非常に優れ、航空機・船舶などのエンジン内の部品などにも使われております。

ステライトを用いたシャフトスリーブなら是非お任せください!!

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シャフトスリーブ(ステライト)

ステライトは、耐摩耗、耐食性に優れた材料で、部品の寿命を大幅に伸ばすことが出来ます。ステライト溶接肉盛から仕上加工まで、全て社内で行います。高品質の製品を低コスト、短納期にて製作します。
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シャフトスリーブ(ステライト)

耐摩耗、耐腐食に優れたステライトをSUS304に溶接肉盛しています。必要な部分だけにステライトを使用できるため、コストパフォーマンスに優れたシャフトスリーブです。当社では、ステライト肉盛溶接から精密機械加工まで一貫して行いますので、コスト、納期、品質の優れた製品を提供できます。

ステライトを用いたその他の製品

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ウォームスクリュー(刃先ステライト)

SUS316L母材にステライト#6をフライト部に肉盛しています。
本品は新作ですが、ステライト肉盛補修も実績多数です。
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ロータリーバルブ(ステライト肉盛)

外周部にステライト肉盛補修をしています。
摩耗が進んだロータリーバルブの再生可能です。ステライト肉盛によって、寿命も長く、メンテナンスの費用削減が可能です。

ステライト肉盛り溶接の施工が得意です!

弊社では、ガス溶接、TIG溶接、溶射での施工が可能です。
材料からの製作はもちろんのこと、すでに摩耗してしまった部品の溶接肉盛補修も可能です。

ステライト肉盛補修は、新作に比べて、大幅なコストダウンが可能なだけでなく、ステライトの耐摩耗性、耐食性によって、長寿命化が可能です。 摩耗でお困りの場合、ステライト肉盛補修を是非ご検討ください。

ステライトの使用用途

品種色別製品の種類用途
ステライトNo.1 ガス溶接棒
TIG溶接棒
製紙、合板工業のカッタナイフなどの肉盛に使用されます。
ステライトNo.6 ガス溶接棒
TIG溶接棒
バルブの弁座、弁体、内熱機の排気弁などの肉盛に使用されます。
ステライトNo.12 ガス溶接棒
TIG溶接棒
バルブの弁座、弁体、シェンソーガイドなどの肉盛に使用されます。
ステライトNo.21 電気溶接棒
TIG溶接棒
衝撃の加わる高温高圧バルブ、熱衝撃の加わるホットシャーなどの肉盛に使用されます。

関連技術

ステライトについて

ステライト®(Stellite®)は、コバルトを主成分とし約30%のクロム、4~15%のタングステンなどからなる合金であり、硬度が高く、優れた耐摩耗性、耐酸化性を持ち、高温でも特性がほとんど変化しない万能型耐磨耗合金です。添加材により、耐熱性にも非常に優れ、石油化学プラント機器の他に、航空機・船舶などのエンジン内の部品などにも多く使われています。
施工方法としては、ガス溶接、TIG溶接、紛体プラズマ溶接、溶射等があります。次に、代表的なステライト3種の成分と特性を示します。

ステライトの成分

品種CoCrWCFeNi
ステライト No.1 Bal 30 12 2.5 3 - -
ステライト No.6 Bal 28 4 1 3 - -
ステライト No.12 Bal 29 8 1.35 3 - -

ステライトの特性

品種比重融点(℃)熱膨張係数(30~600℃)硬度HRC引張強度(kg/mm2弾性係数(kg/mm2
ステライト No.1 8.48 1270 13.8×10-6 50~58 - -
ステライト No.6 8.47 1285 14.2×10-6 39~46 78 21.00
ステライト No.12 8.42 1290 14.6×10-6 45~52 85 21.00

ステライト溶接肉盛について

シャフトスリーブに用いられる溶接肉盛の方法は、一般的に「ガス溶接」「TIG溶接」「紛体プラズマ溶接(PTA)」の3種類であり、材質、形状、仕様で使い分けています。

ガス溶接

ガス溶接は、アセチレンガスと酸素が化合して生じる高温度の燃焼熱を利用して、溶接棒の一部を溶融し溶着する溶接法です。広範囲にガス加熱されるため、溶接割れが生じ難く、主にコバルト系合金やニッケル系合金の溶接に適用されます。ガス溶接法は人的作業の為、熟練した技能が必要となります。

TIC溶接

TIG溶接はアルゴンガス中でタングステン電極と母材との間にアークを発生させ、溶接棒と母材を溶融し溶着させる溶接法です。CO2溶接、MAG溶接に比べて溶着速度が小さい溶接法で、溶接材料は、コバルト系合金、ニッケル系合金、ステンレス系、鉄系など様々な種類があり、線径の選択により入熱を押さえた肉盛溶接が可能です。

紛体プラズマ溶接(PTA)

PTA肉盛溶接は、高周波発生装置を使用してトーチ内でアークを発生させガスを加熱します。その超高温でイオン化したガス流中に、粉末状の溶接材料を送給して溶着する溶接法です。ガスは、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの混合ガスを使用し、肉盛厚さは1層で3~4㎜と他の溶接法に比べて効率の良い肉盛溶接が出来ます。

粉体プラズマ溶接での肉盛施工とプラズマ粉体溶接の原理

出典:大阪富士工業株式会社
https://www.ofic.co.jp/welding/2-1.html

粉体プラズマ溶接機 Eutronic GAP 2501DC (日本ユテク製)の画像

導入機種

紛体プラズマ溶接機
Eutronic GAP 2501DC (日本ユテク製)
出力
200A
構成
溶接機本体、トーチ、コントローラー、冷却装置、パウダー フィーダー

円筒研削盤について

NC旋盤による仕上げ旋削加工の後工程として、新たに円筒研削盤を導入します。 円筒研削とは、円筒状の加工ワークの外面に回転する砥石を当て、高精度の表面仕上げを行う加工法である。加工を切削とは異なり、砥粒の一つ一つが刃として作用するため、非常に硬い素材を高精度に加工したり、面粗度の向上を図ることを目的とします。

円筒研削加工の仕組み
円筒研削盤イメージ

品質管理

1.ステライト溶接部の欠陥(クラック、ピンホール)に対する品質管理

前述のとおりステライト溶接肉盛の施工においてピンホールは避けて通れない問題です。通常1~2㎜のコーティング厚さであるステライト肉盛溶接で、ピンホールは、削って表面に現れるまで発見できない。また、浸透探傷検査(PT)によって、0.1㎜程度のピンホールも発見できるため、目視では発見できない小さなピンホールでも不良品となります。

(例)浸透探傷検査で発見されたピンホール(ステライト肉盛部)

これを防ぐため、ステライト肉盛溶接部は、次のような手順で浸透深傷検査を行います。

透探傷検査の実施例

透探傷検査の実施例

大きなピンホールから、仕上残しの状態で修正していくため、仕上寸法までに数回に分けて浸透探傷検査を行っています。研削盤による仕上の場合、0.3㎜残し程度まで切削で行います。ここで浸透探傷検査を行い研削仕上に移ります。本事業によって、研削加工が社内で行えるようになれば、さらに研削仕上中に浸透探傷試験を実施し、小さなピンホールまで溶接補修が可能となります。これによって、最終の完成時にピンホールが残る危険性が大きく低減し、品質の向上と管理が可能となります。

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