ステライト溶接棒
耐摩耗技術のご紹介
トライボロジーでは、磨耗【wear、attrition】は 「摩擦で生じた力により固体表面がだんだんと減っていく現象」と定義されます。 従って、「耐摩耗技術」とは、「摩耗の進行を遅らせる技術」です。
主に、「摩耗に強い材料を使用する方法」と 「摩耗に強い材料をコーティングする方法」に分類されます。 最適な「耐摩耗技術」を採用することで、消耗部品のみならず、装置、設備、プラント全体の保全費用、ランニングコストを大幅に削減し、安定的な操業を可能にします
ステライト
ステライトは、コバルトを主成分とし約30%のクロム、4~15%のタングステンなどからなる合金であり、硬度が高く、優れた耐摩耗性、耐酸化性を持ち、高温でも特性がほとんど変化しない万能型耐磨耗合金です。
添加材により、耐熱性にも非常に優れ、石油化学プラント機器の他に、航空機・船舶などのエンジン内の部品などにも多く使われています。
施工方法としては、ガス溶接、TIG溶接、紛体プラズマ溶接、溶射等があります。次に、代表的なステライト3種の成分と特性を示します。
ハルドックス
HARDOX切断
HARDOX(ハルドックス)耐摩耗鋼板は、スウェーデンスチール社によって、1974年に誕生した世界初の近代的な耐摩耗鋼板です。
耐摩耗板は、掘削機、フロントホイールローダー、ダンプカー、採鉱トラック、コンベヤ、シュート、コンテナ、粉砕機、破砕機、ミキサー、ふるいやスクリーン、解体機、バージ等の機器のパフォーマンスを高め、稼働可能時間を最大限に延ばします。 また、割れ、凹み、摩耗などにより生じる補修コストの問題を解決し、お客様の製品や機械の耐摩耗性を最大限に高めます。
状況によっては、耐用年数を2倍、3倍、さらには10倍にも延ばすことが可能です。
コルモノイ
2軸スクリュー(コルモノイ肉盛)
コルモノイは、米国ウォームコルモノイ社によって開発された、極めて優れたニッケルベースのハードフェース用合金で、耐摩耗性と同時に耐久性にも優れています。
コルモノイ合金は、耐食性に優れるNi-Cr合金にボロンやシリコンなどを加え硬いホウ化物や炭化物の分散によって耐摩耗性を向上させています。特にホウ化クロムの分散がコルモノイ合金の大きな特徴であり、これにより極めて優れた摩耗性を示します。
(コルモノイの類似品にはホウ化クロムは含まれていません。)
また、コルモノイ合金は各種機器部品の耐用寿命を延ばしてきました。なかでも、ウォールコルモノイ社が発明したニッケル基、コバルト基合金は機器部品修復・交換のコストを下げ、貴社の生産性を確実にアップします。
弊社では、ガス溶接にて施工します。 硬度の高いコルモノイのガス溶接には、高い技術が必要です。
テロプレート
テロプレートとは、ユテクジャパン株式会社製の軟鋼板またはステンレス板の表面にニッケルクローム系(タイプSP)とタングステンカーバイド系(タイプGW)の硬化層を特殊な工法でコーティングした耐摩耗プレートです。
硬化層は均一な高硬度を有し、滑らかで軽量です。多様な製作が容易にできます。
CDPプレート
CDPプレートは、ユテクジャパン株式会社製の2.8mmコアードワイヤを用いたオープンアーク溶接法により軟鋼材へ硬化肉盛をした耐摩耗鋼板です。
硬化層は、共晶マトリックスに微細なクロムカーバイドを多く含有した構造体で、非常に硬い肉盛層はアブレージョンやエロージョン摩耗に優れた耐久性を示し、激しい土砂摩耗を受ける箇所などの防御対策に最適です。
キャストチューブ
キャストチューブは、ユテクジャパン株式会社製のパイプ内面に硬化肉盛をしたチューブで、原料や微粉を搬送する際の激しい摩耗や浸食に対し、予防保全効果があります。
チューブは、直管と曲管があり、部分損傷の迅速な交換と高硬度で寿命を延ばし、プラントの稼働率をアップし、生産性を増加させることができます。